attoの文とか。
attoの書く小説等をupしています。                 記事は下へ行ってしまうので一話から読むときは最新の記事かカテゴリーを使って下さい。 ・・・・では、
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Author:atto
話を読むこと、書くことが好きな高校生。
いろんな知識を持っているつもりだけどいざと言うときに活かせない。

話を書きたいがどうにも行き詰まることが多い。

もの凄いスローペースな更新だとは思いますが、どうかお付き合い下さい。



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B×B Ninth
B×B 第9話です。

感想、ご意見、よろしくお願いします。

B×B Ninth "剣客"

シロハの周りを取り囲んだ影達は、このエリアの自治軍・・名を「crowing Crow」と言う。
「我々、自治軍・・『crowing Crow』は人外生物の討伐を行い、この町、ひいては世界を!我ら人間の物へと還す!!」
一人の男、若いが精悍な顔つきの男がそう高らかに宣言する。
・・勝ち誇る烏。まさにその通りである。
蒼は装甲を解き、言う。
「・・私達は組織によって創られた、『Zero討伐兵器』よ?・・こんな事をして、許されるとお思いですか?」
Fourth・・蒼は多少どころではない苛立ちをその男に向ける。
男は一瞬怯んだ様に見えたが、すぐに胸を張り、
「我々は、『人の形をした兵器』を『脅威』以外の何物でもないと判断。単刀直入に言おう、『殺される前に、殺せ!!』」
「随分な物言いだなぁ・・。」
同じく装甲を解いたシロハはどこか呆れた・・いや、呆れて居るんだろう、そんな感じに言う。
「・・てめえらなんぞに興味は無いよ。・・解った、解った。『殺さないで』あげるから、去ね、去ね。」
面倒そうに、酷く面倒そうにシロハは手を振る。
・・その態度に男は、切れた。
「・・『バケモノ』共がぁぁぁぁぁあぁぁあぁああぁぁぁぁぁぁぁぁああぁ!!!!!」
そう言って腰の剣を抜き払う。
周りの男達もそれに習って、それぞれの武器を手に取る。

『R.system・・motion!!』
『R.system・awaken!!』

二人は同時に装甲を纏う。
何処か溜息混じりだったのは気のせいでは無いだろう。
「First、何人行く?」
「全部。」
超加速によって一瞬で包囲網から抜け出た二人は蒼は青の元へ、シロハは剣を居合い抜きの様に構える。
シロハの身体に隠された剣は紫電ではなく、『ヒュゥゥゥ』と言う風の音を纏う。
「・・最近思い出したんだけど、俺は元々、風の属性が基本なんだよ。」

『一閃・・・絶影!!』

刃が見えないほど、一瞬のうちに繰り出された居合いは『ヒュッ』と言う風のみ聞かせ、その他の何も感じさせない。
そのまままた、シロハは装甲を解く。
「・・何だ?てめぇ・・。」
自治軍の男はあからさまな侮蔑の目と共に言う。
「・・殺さないとは言ったんだけど、難しいな。ほら、服着ねぇと風邪引くぜ?」
シロハは剣をいつものように片手に携えて、軽く言う。
見れば、男達の『鎧のみ』切り裂かれた様に消えている。
『一閃、絶影』
居合いに属性攻撃を乗せて放つ切断技。
「ま、風が一番使いやすいな。」
そう独りごちて剣をヒュンヒュンと回す。
「・・貴様・・、正式に我々の敵になったな。」
「・・・今まで敵じゃ無かったのか。」
心底驚いてシロハは言う。
「抵抗したら総力を挙げて殺す予定だった。」
二択のどちらも死だったらしい。
「ふん、まぁどっちでもいいさ、いつでも来いよ。返り討ちにしてやっから。」
剣をザンッと地面に突き立ててそう言い放った瞬間、

『FREEEEEEEEEEEEEEZ!!!!!!!!!!』

後ろから叫び声が聞こえた。
「剣は抜くな。今後ろから銃を構えている。抵抗を見せた瞬間・・撃つ。」
「抵抗しなくても撃つんだろうけどな。あぁ、解ったよ。抵抗しないから。」
そう言ってシロハは両手を上げる。
「おい、剣を取れ。」
勿論シロハに言ったのではなく、先からシロハにガンくれていた自治軍の男に、である。
「お、おう。」
駆け寄って剣を抜き、下がる。
銃がガチャリと構えられた音を立てる。
「・・では、死んで貰おうか。」
トリガーに指がかかる。

『ダァァァァァン!!』

弾が爆音を立てて、射出された刹那、
『無刀・・・刹那!!』
ヒュン!と風斬り音がして弾丸が真っ二つ、更に半分、最後には粉々に『斬られ』風に舞った。
「・・はぁ?」
男が、顎が外れるのではと思えるほど、あんぐりと口を開ける。
「俺は元々、『刃』を纏ってるようなもんだからな。刀・・フォルスは物理的な攻撃手段の一つなんだよ。」
で?そうシロハは言う。
「勝ち目はあるかい?烏さん方?」
シロハがシニカルにそう言うと、男達は蜘蛛の子を散らすかの如く逃げ去っていった。
残ったのはフォルスを持った、例の男のみ。
「・・さて、フォルス返せ。」
一歩一歩、確実な殺気を放ちつつ、シロハは歩み寄る。
ヒュンヒュンと風斬り音は鳴り続けている。刹那は剣であり鎧なのである。
「・・あ、あぁ・・あ・・。」
口が開きっぱなしの男は今にも崩れ落ちそうである。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
フォルスを振りかぶってシロハに突進してきた男をシロハは避けるでも無く、ガードするでも無く、
『殴り飛ばした。』
気絶した男はピクリともしない。死んでは居ないようだが・・。
「・・さて、フォルスも返して貰ったし、うん?何だよ、次は俺がヒーロー役か・・。」
と訳の解らない台詞を呟いたシロハだった。
意味は次、明らかになる。
B×B Eighth

お待たせ致しました。
B×B 第八話。更新です。

Eighth "氷人"

シロハは目的もなく、当てもなくただ歩いていた。その身に纏う雰囲気からか、道行く人は須く道を開け、さながらモーセの様である。
勿論別に意識的にそんな事をしているわけでも無いので、シロハは相も変わらず無表情だ。元々と言う線も否定はできないが…。
そんな中、開いた道の真ん中に仁王立ちする少女が居た。
「邪魔だ」などと言うほどシロハも無遠慮でもないので、普通に横を通ろうとした…
『グオッ!』
いきなり少女が殴りつけてきた。
ガードしても後ろに吹き飛ぶシロハは、痛みに顔を歪めつつ一気に思考回路を回転させる。
少女は拳を振り抜いた形で止まり、ゆっくりと状態を起こす。その瞳には何も宿っておらず、ただただ氷の様だった。
「…R.system、所有者かっ…が…」
呼気と言葉が同時に口から出る。
シロハの背には鋭い、研ぎ澄まされたナイフが刺さり、黒いYシャツがみるみる内に赤黒く染まっていく。
「二人…目…。」
「…」
ナイフを刺した少年は全く先の少女と同じ顔で、目は深海の様な色を湛えて居た。
その少年は弾かれる様にシロハから離れると、少女と反対側…つまりシロハを挟み込む位置に立った。
「マジ…か…」
『ズッ』とナイフを抜き取り路端に捨てる。『カランッ』と言う小気味の良い音が鳴った。
毒なんかの類は塗って無さそうだ…と素人目に判断するシロハ。寧ろこれはダメージよりも相手が…R.system所有者が2人居ると言うことを見せつける策だろう。
ダメージはおまけと言った所か。
「全く、平穏、安寧が似合わない人生だっ!」
剣…『フォルス』を地面に突き立て、紫電を左右に走らせる。雷は2人の手前で爆発を起こし、視界を塞いだ。
「ちっ!」
少女は舌打ちして煙の中に突っ込む…が煙の先、先ほどシロハの居た位置にもう影は無かった。

『ズリッ…』
壁に寄りかかると赤い線が壁に描かれた。尤もその辺りはsystemによって高速治癒が行われているから平気だろう。
「さて、作戦会議だ…」
そう呟いて立ち上がる。
「…潰すか。」
作戦もへったくれも無かった。

『R.system…motion!!』

装甲を纏った戦士が『ヒュッ』剣を振るった。

「…お、逃げたかと思ったよ。」
少女は心底どうでも良さげに驚いて見せた。
「あぁ、お前等は…『取り合えず』潰す!」
ふ〜ん」
『R.system…awaken!』

光が起こり、二人は装甲に身を包む。
シロハは剣を振るい、先ほどの雷を空気を伝えて飛ばす。
今回の雷は手前などでは無く、直接二人に向かい、『ドッ』っと言う爆発音が起こる。
が、勿論それも大したダメージにならず、薄い青の装甲…「Fifthか?」が爆炎の中から突っ込んで来た。
「効かないよ…そんな攻撃!」
Fifthはそのまま拳をシロハに叩きつける。が、シロハもそれをバックステップ…と言うには些か大きい跳躍で、それを避ける。が、Fifthもすぐさまシロハの横に付ける。
「逃げきれる…とでも?」
「全く?」
おどけた様にシロハは言い、左手に握っていた『弾丸』を指弾でFifthに向けて放った。
「はっ?」
いきなりのシロハの攻撃にFifthの対応が遅れ、弾丸を胸の装甲で受ける事になる。

『パァァァァンッ』

弾丸は炸裂…と言うより破裂に近い形で激しい音を立てる。…しかし、Fifthは然したるダメージも無い様である。
「…は?何がしたい…わ…」

『ドサッ』

Fifthの装甲が解け、いきなり倒れ込む。受け身も取れない状態で顔面を叩きつける形になる。
「…何をしたの?」
もう一人の蒼い少女が疑問を口にする。それに対しシロハはあくまで軽く「マジックさ」と答える。
「ふざけるな。」
蒼い少女…Fourthは吐き捨てる様に言う。
けれどもシロハは全く感じを変えずに、ゆるゆると立つ。
「R.systemは機械であり、器官であり、臓器だ。俺たちの体は既にその臓器に依存してるんだよ。」
「何が言いたい。」
回りくどいシロハの言い方にFourthは露骨に苛立ちを見せる。
それに伴って空気中の水分が凍結を始める。属性現象が起こっているのだ。
「しかもその臓器、心臓の替わりまでやってくれているんだ、それが『止まったら』どうなると思う?」
心臓が止まった瞬間はまだ人は生きているだろう。でないと心臓マッサージなどただの愚行に過ぎなくなる。
が、心臓の機能の低下が緩やかに、気がつかないほど慎重に行われているなら・・どうだろう。
心臓が止まっても『もう一つの心臓』によって生きながらえる。・・それがR.system。
シロハが放った弾丸は一時的にsystemをダウンさせる特殊弾だ。
「・・退化しきった心臓では・・動けないでしょうね・・。」
Fourthは憎々しげに呟く。
「さて、一対一だが・・今なら逃げられるぞ?」
「戯れ言ね。私が逃げるわけ無いでしょう?」
そう言ってFourthは不敵に笑む。
が、

『ザッ!!』

何者かにシロハとFourthは囲まれた。
「今より!!人外生物の討伐を我ら自治軍は開始する!!」
B×B Seventh
B×B・・・更新です。
一度、間違えて更新分を吹っ飛ばす、(コピーと間違えて貼り付けを押してしまい、それまで書いた文が『Trading』になると言う・・。)絶望を味わい、もうだめだ・・とも思いましたが、どうにか第七話、書き上げました。
最強は紅林さんです。

では、感想、ご意見、お待ちしています。

Seventh "生様"


カチカチ・・・カチカチ・・・。
薄暗い部屋にぼんやりと青白い画面が映える。
勿論それはパソコンのデータとかそう言う真面目な類のモノでは無く、第4、5研究室担当の「水湖 高奈」のしている、ゲーム画面である。
研究棟内で研究よりゲームを優先する人間は彼女を置いて他に居ないだろう。
その後ろには双子の姉弟、姉の「Fourth」・・・「蒼」と弟の「Fifth」・・・「青」。
どちらも特にすることなしと、ゲーム画面をぼんやりと眺めている。
・・否、Fifthの方は姉にもたれ掛かってうっとりしていた。

『ガンガン。』

重厚な金属製の扉を叩く音が鳴る。
この部屋に来る人間は研究レポートの提出を催促する奴か、依頼する奴の2パターンしかいない。それについてはFourthが「いつまでも学生から抜け出せない大人」と辛辣な評価を下している。
「悪い、蒼、ちょい手が離せんから出てちょ。」
画面から一向に目を逸らさず言葉だけ発する。
それに蒼は「はいはい」とうんざりしたように答え、弟を引きはがし、扉に向かった。
『ガチャリ』と重々しい感じとは裏腹にスムーズな開閉を行う扉を開けると、そこには一人の白衣の女性が立っていた。
「・・第1研究棟の一澄(ヒズミ)です。先ほど、Secondが逃走、よって逃走したsystem保持者がFirstと合わせ2体となったため、Thirdだけでは厳しいと言うことで此方、4、5研究所にも依頼が入りました。直ちに1st及び2ndを捕獲、もしくは破壊して下さい。以上です。」
表面上は業務を果たしているが、声が震えている。
まぁ、仕方ない。と蒼は思った。
此処に来るのも辛かっただろう。
「あ〜、そうなん?風凪も紅林も馬鹿やるねぇ・・。まぁ、いいや。蒼、青。適当に終わらしてきて。あたしコレ速いところクリアしてぇし。」
勿論顔は画面から離さず、声だけを向ける。
その刹那、青の目から色が消え失せる。
「はい、解りました。・・・じゃ、準備運動・・。」
そう言って青は一澄の元へ歩いていき、「ひっ」と小さく悲鳴を上げる彼女を無視してしなだれかかる。
そのまま、指が彼女の腕を滑っていき『ボコボコボコ』水の動く音『パァァァン!』腕が弾けた。
「イヤァァァァァアァァアァァァァアアアア!!!!!!」
水風船が割れるように一澄の腕が破裂し、血が飛び散る。
その血を浴びても尚、青の顔は無表情だった。
その光景に蒼は目を瞑り、高奈はゲームのヴォリュームを上げるだけで、特に感情は見られない。
「・・青、時間ないし、行こうか。」
「うん、解ったよ、おねいちゃん。」
その声は先ほどとは打って変わって、猫なで声な妙に似合わない声だった。
そのまま蒼は青と共に一澄の横を通って扉を潜った。
・・彼女の横を通る時に蒼の口が「ごめん」と動いた事に気が付いた人は居なかった。

『ヒュッ!』
そう風を切る音が聞こえる程、紅林の動きは素早かった。
狙うは足、まずは相手の動きを止めるのが上等手段だ。
低い体制から突如ブレーキと共に回転してローキックを放つ。
が、それを灰里は軽く飛ぶことでいとも簡単にかわしてしまう。
「・・ダメだ、紅林、お前では勝てない。」
感情の無い、棒読みの台詞が紡がれる。
それについて紅林はノーコメントだった。
「・・仕方ない、・・苦しまないように・・殺してやる。」
そう言って灰里の姿が歪み、Zeroの姿へと変貌する。
それは、蜂によく似た姿だった。
灰里は距離を詰め、重い拳を繰り出す。
それを少ない動作でかわし、足払いをかける。
が、それも先ほどのようにふわりと浮き上がった身体にかわされる。

『ガキィッ!』

紅林の装甲に罅が入る。
が、それは灰里の攻撃ではなく、Proto systemの耐久性が限界に近いせいだろう。
「・・早いとこ決着をつけなきゃなぁ・・。」
紅林は呟く。
そのまま、机に近づき、置いてあったベルトを掴む。
「・・ん?何だ?」
「・・G system・・お前等に悟られないように作るのはしんどかった・・。」
そう言って、ベルトを装甲の上に付ける。
「風凪、コレがアイツ等の『牙』になる!」

『R system Reinforcement・・・Form G!!』

一瞬だった。
何か装甲が変わった、と認知した瞬間に灰里は『消し飛んで』いた。
そして、そこには生身の紅林が立っていて、ぼうっと上を見上げていた。
が、次の瞬間には膝から崩れ落ち、倒れ・・・

『ガッ』

それを受け止めたのは風凪だった。
「完成・・したのか、G and D system・・・。」
「・・あぁ、一応な。ついでにProtoに対応させるのに手間取った。」
「しなくて良いだろ、つうか、俺がやりゃぁ、良かったんだろうし。」
「そうか、その手があったか。」
「・・今解った様な言い方すんな。緋月に見せたかったんだろ?」
「あぁ、そうかも、俺らしくねぇ。」
「いいや、お前らしいさ。」
それを聞いて紅林は目を閉じた。
B×B Sixth
お待たせしました(?)
『B×B』の第6話です。
かなりの駆け足ですが、どうぞお付き合い下さい。

ご意見、ご感想お待ちしています。

Sixth"希望"

ズルッズッズ・・・・ドサッ。
薄暗い研究棟に物を引きずるような音が木霊する。
「ほれ、ガキ。連れて帰ったぞ。」
緋月はThirdを研究員の足下に放り投げる。
未だ絶賛気絶中なThirdはその衝撃を受けて尚、一向に目を覚まさない。
systemを起動していてもこの状態である。白羽の力はどれほどなのか、想像は容易ではない。
「ご苦労。・・おい、Second、聞いて居るぞ。Firstを無視したそうじゃないか。何故捕まえなかった。」
若い研究員は背は同じだか年齢的に下の緋月に向かって威圧的な声をあげる。
その声に一瞬顔を歪めた物の、緋月はすぐ元の顔に戻り、「指令はThirdの捕獲のみだった。」と答えた。
表情を読めない苛立ちか、小馬鹿にしたように感じたのか、研究員は舌打ち一つ残して背を向ける。
そのままThirdの襟首を持って研究室に戻り・・・「駒のくせに。」呟いた。

『ドゥン!!』

研究員が振り向くと、自分に向けて銃を構える緋月が居た。
その先を見れば赤々と焼け、機材は溶け出している。
「なんつった?あ?」
銃を構えたまま緋月は怒気を存分に孕んだ声で研究員に問う。
「・・き、貴様、てめえらを『作ってやった』俺等に向けて何て口の利き方だ!!」
としかし、研究員も空気を察せず、威圧的に言う。
これが緋月の神経を逆撫でしない筈がない。

『R.system・・・Ready』

「ひっ!」
研究員の前に紅蓮の装甲が現れる。
「・・作ってやった?あぁ、ありがたいね。お前みたいな馬鹿を、軽く殺せる。あ、殺すことに抵抗が無いのもお前等の教育の賜か。」
銃に力を込めていく。そこに躊躇いなど一切無い。
怯える研究員に向かって緋月は最後、
「ありがとう、心から感謝を送るよ。・・そして、永遠に俺の前から消えてくれ。」

『ゴォウ!!』

部屋が、火球に包まれた。

『エマージェンシー、エマージェンシー、研究棟A-3〜4にて火災発生。火は強力な属性不可がかかっているためSecondの仕業と仮定し現在Secondを捜索中。繰り返す・・・』

「あん、馬鹿が・・。」
紅林はコーヒーを机に置いた。
放送の内容から推測するに、どっかの馬鹿が家の馬鹿を挑発したんだろう。
流石にそうでもなければあの馬鹿は騒ぎを起こしたりはしない。
「少々予定が狂ったが、緋月には現実を見て貰うかな。」
そう言うと紅林は横に置いてあるアタッシュケースを見やった。

『ドウン!ドドドドン!』

火球が四方八方に飛ぶ。
すでに廊下は壊滅気味。後ろからの追跡は不可能だろう。
緋月が向かう先は紅林の部屋。
「そう、なんで気が付かなかったんだ・・。俺は、アイツを殺せば・・自由じゃないか。」
装甲に隠れて見えない顔がそう呟く。
ゆったりと、しかし着実に歩を進める。
もう少しで部屋に着く。
前から来る雑魚はクライシスで一掃する。
遮る物など無い。
「・・ここか。」
扉の前に辿り着く。
銃を上げ、扉に向ける。

『ゴォウ!』

扉を破壊するための火球が繰り出される。
煙が晴れた先には椅子に座った紅林が居た。
「やぁ、緋月。今日もご機嫌斜めだねぇ。」
いつも通り、そう、こんな状況にも全く動じず、いつも通りに紅林は惚けて言った。
「・・お前を、殺しに来た。」
「そうか、そいつぁ困った。俺はまだ死にたくない。未婚だしね。」
どんな状況でもふざけている紅林に緋月は苛ついていた。
「・・しらねぇよ。取り敢えず・・死んでくれ。」
緋月が銃を構えた瞬間、後ろから吹き飛ばされた。
「ちっ、情報の早い事で。」
紅林は憎々しげに言う。
そこには数人の研究員と棟の責任者が立っていた。
「紅林、お前も風凪と同じか?全く、私は嘆かわしいよ。」
表情を全く変えず、殆ど棒読みで喋る責任者・・灰里。
「俺は、自分の好きな事をするだけだ。そして、今は緋月を守らなきゃならないんでね。」
「は?なんで俺が守られなきゃならねぇんだ!」
今までの口調とは違う・・いつもの緋月の口調に紅林は顔を緩める。
しかし、すぐ灰里に向き直り、表情を固定する。
「すみませんね。俺としてはなんで『Zero』を殲滅する組織がそれらを『飼ってるのか』が気になりまして。」
紅林も灰里に負けぬほどの棒読み具合だ。
緋月は紅林の台詞に驚きを隠せず、灰里も表情が一瞬歪む。
「で、緋月君にここの現実を見て貰おうと思ってね。」
そう言って紅林はケースの中のベルトを付ける。
「試作品段階でもかなり上まで行ったから・・・割と持つと思うんだけどな。」

『Proto system・・・変身!!』

紅林がそう叫ぶとそこにはギシギシと音を立てる、紅蓮の戦士が立っていた。
「ちっ、おい、かかれ。」
灰里が指示すると、研究員がわらわらと入ってくる。その姿は順々にZeroへと変貌していく。
「フッ」
紅林は息を吐いて、一気に距離を詰める。
一体目に掌底を叩き込み吹き飛ばす。そのまま回し蹴りで二体目を。
今まで馬鹿な奴と思っていた人間が、『Raider』として戦っている、その光景に緋月は呆気にとられていた。
「良いか!緋月!」
Zeroを相手しながら紅林は緋月に叫ぶ。
「お前等はそれぞれにモチーフがある!お前は火蜥蜴・・サラマンダーだ。Raiderには羽のある何かをモチーフにしなきゃなんなかったんだけど、お前には羽は無い!」
緋月はただ聞いているのみだった。
「いいか!FirstはいつかZeroを殺しきる。その時支えるのはお前だ!緋月!」
紅林が最後のZeroを倒した。
「・・・生き残れ。そのための『牙』はすでに研いである。」
そう言うと紅林は緋月にもう一つのアタッシュケースを渡し、脱出用の出口から突き落とす。
「なっ!!」
高さ的には4階だが、アイツなら怪我一つ無い筈、そう信じて紅林は背を向ける。前には灰里。
「・・あ〜、コレ不可がかかりすぎて超だるいわ。」
呟いて、突っ込んだ。
B×B Fifth
B×Bの第五話です。
ご意見感想、お待ちしております。

"Fifth" 無知

「・・君は若いのに・・髪の毛が白いんだね。」
「・・・あぁ。」
どうでもよさげにシロハは返事をする。
そのシロハに対して色々と喋りかけるのはとある町で出会った春樹という少年。
初めまして!と町の入り口で声をかけられたので「・・あぁ」とシロハが返したらソレが引き金のように彼は喋り始めた。
話を聞けば聞くほどなるほどコイツは春みたいな奴だと感じてくる。
それほどまでに彼の話はうざったくない程度の暖かさを持っていた。
「で、シロハ君は何処から来たの?」
嫌みっぽくない笑顔を向けて春樹が聞いてくる。
「・・そうだな・・遠い所から。」
「へぇ・・。旅人?・・にしては格好が格好だよね。」
質問は尽きることなく延々と繰り返される。
態度こそどうでも良いと言った感じのシロハだが「悪くない」と言う思いも心の片隅に生まれ始めていた。
「そうだ、旅人さんなら宿がないとだよね!僕の家に招待するよ。」
春樹からの突然の誘いにシロハは一瞬顔を顰めた。
「あ、もしかしてもう宿を取ってたりする?ソレだったらごめん。」
取っているも何も町の『入り口』で声をかけてきて、今の今まで話をしていたんだ。この状況で宿を取っていたら自分はエスパーか?忍者か?
と言う感想を胸の奥の奥にしまい込み、「まだだな。」と素っ気なく返事をする。
「良かった!じゃぁ、家に招待するよ!」
二回目、心の内にカウントし、「あぁ、ありがとう。」と礼を述べる。
研究所には無かった暖かさを知らない『心』で感じつつあるシロハだった。

「・・・春樹。」
話を続けているとふと大人の声が聞こえた。
見上げれば春樹を落ち着かせて成長させた様な男性が立って、此方を見ていた。
「お父さん!!」
春樹はそう叫び、走っていって、父親の胸に飛び込んだ。
まるで何ヶ月も会っていないかのような行動だったが、シロハの持つ春樹のイメージからすればまぁあり得る範囲の行動だった。
が、一つ気になる点がある。
「あ、お父さん、紹介するね。あの人は『風凪』シロハさん、遠くからやってきた旅人さんなんだ!」
自分の事の様に嬉しそうに父親にシロハの事を話す様は休日の親子・・とても微笑ましい光景だった。
「ほぉ、旅人。また珍しい・・・。おっと、失礼だな。」
父親も父親でとても明るい・・気さくそうな男性で、「初めまして、私は春樹の父、蓮。息子と仲良くしてくれてありがとう。」と手を差し出してきた。
「・・・俺はシロハ、貴方に質問がある。」
シロハがそう言い終わり、「何だい?」と蓮が言い終わる前に雷の剣『フォルス』が蓮の首筋にピタリと当てられていた。
辺りはパニックになり、一気に人が消え失せる。とは言っても、何人かはその場で倒れ込んだりしていたが。
春樹は春樹で状況が掴めないのか蓮とシロハの横で視線を右往左往させている。
「・・な、何の真似だい?シロハ君。旅人ではなく殺人鬼だったのかな?」
こんな状況でも戯れ言を吐けるこの男をある意味では尊敬できるかもしれないが、まぁ、今はどうでも良い。必要な答えは、
「春樹はどっちの子だ?」
「鋭すぎるよ君は。」蓮がクスリと笑った瞬間シロハは春樹の腕を取り後ろに庇う。

『ザシュッ!』

が、蓮の変化した右腕がシロハの左肩を容赦なく抉る。
「チッ」
舌打ちし、バックステップで距離を取る。勿論春樹を抱えて。
蓮の右腕は今まで見てきたような「内側から食い破る」様な変化では無く、完全に変形した姿だった。
「zeroがまぁ良く『子育て』なんか出来たな。」
「安心して良いよ。私がこの身体を手に入れた時には春樹は生まれていたからね。あぁ、妻もまだ人間だよ。」
全くかみ合っていないが十分な答えだ。
「・・・あ、あ、あ・・の・・・シロ・・ハさん?何が・・お、起きてる・・んです・・か?」
やはり未だに状況の読めていない春樹がしどろもどろに質問する。
シロハは少々辟易しつつ「お前の父親が殺されていた。アレは皮を被った化け物。赤ずきんのお婆ちゃんを喰った狼。・・安心しろ、俺が・・守る。」そう答えた。
「・・お父さん・・が?」
シロハは知らなかった。守るも、守ってくれないも関係ないこと、父親がいきなり『化け物』扱いされる・・実際化け物だったとしてもだ・・辛さ・・。今春樹が感じている気持ち全て知り得なかった。
「・・君が空気を読める人間だったらせめて春樹の居ない所で火蓋を切って欲しかったな。でもま、全部今更か。」
諦めた様にそう言った蓮は溜息一つ付くと、蜃気楼の様に一瞬ぼやけ、zeroの姿へと変わった。
「・・お、お父さ・・ん?」

『R.system・・・Motion!!!』

シロハも掛け声と共に白銀の装甲を纏う。
「ライダー・・ね。通りで。」
めんどくさそうに蓮が呟くやいなやシロハは剣を刺突の形に構え、突進する。
「はぁぁ!!!」
一瞬で間合いへ飛び込み剣を突き出す。勿論狙いは心臓。zeroも人間と似た構造になっているため心臓等の重要機関を破壊されれば活動は困難になる。
が、勿論ソレを避けた蓮は反撃に・・・移らず距離を取る。
「・・・シロハ君。秋羽の息子だね。」
ゆっくりと蓮が言葉を紡ぎ出す。
「・・秋羽?」
「風凪 秋羽・・・君の父親の筈だが。」
・・・知らないのも無理はないのだが、シロハは父親の名前を知らなかった。
まぁ、言われていないのだから仕方ないと言えば仕方ない。
「そうなんじゃないか?まぁ、知った事じゃない。」
「では息子と言うことになったシロハ君。目の前で父親を殺される息子の気持ちは理解可能かい?」

『ドクンッ!!』

いきなり原因不明の衝撃がシロハを襲った。
訳も解らず胸を押さえ崩れ落ちるシロハを蓮は人間の姿に戻って哀れみの目で見下ろす。
「・・・君は、『知らなすぎる』。」
そのままシロハに背を向けて歩き出す。それに春樹も付いていった。
「・・春・・樹・・なんで・・。そいつは・・そいつは・・バケモノなんだ」「それでも!!!・・・僕のお父さんなんだ。」シロハの言おうとしたことを遮って春樹は叫んだ。・・・勿論それがシロハにとって理解しがたい物だった事は・・言うまでもない。