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| B×B Fourth |
"Fourth" 救済
『ガァァン!!』
何か金属と金属が衝突する音が響くと同時に、激しいバイクの音が町に響いた。 剣はシロハの右横を掠め、地面を切り裂いていた。 「おら〜〜〜、そこをどいとけぇぇ!!!!」 黒地に赤のラインの入ったバイクに跨った緋月は全くスピードを緩めずに「Third」にドリフトによる横殴りを加える。 かなりの防御力を誇る「R.system」も専用のバイクとの衝突は手痛いダメージらしく、一撃で装甲を破壊していた。 「よ〜、また会ったな。」 緋月はやけに軽くシロハに話しかける。 「・・何だよ・・何しに来た。」 警戒心バリバリのシロハに苛ついたのか、緋月の顔が少々怒りに歪む。 「あ、助けに来たわけじゃねぇからな。俺はあのガキを回収に来たんだよ。」 そう言うと右手に持った銃を「Third」に向ける。 その彼はバイクか家のどっちかの衝撃のせいでくらくらした足下が覚束無い状態だった。 「で、回収が困難になるからアイツの持つ武装を全部解除してから連れて帰れ。なお、ソイツの持ってた武器はお前にやる・・だとよ。」 「・・じゃぁ、僕のフォルスは・・。」 「お前のじゃない。俺の物だ。」 「違う!・・僕のだ!!!コレは・・僕のなんだよ!!!!」 どっちのでもない・・・と思いながらシロハは立ち上がる。 「・・『フォルス』は・・俺のだ。」 二人を見据え、はっきりと言い放つ。 露骨に顔の引きつる「Third」とは対照的に緋月は何故か笑顔だった。 「そうか、じゃぁ、そうなんじゃん?俺が貰って良いのはさーどさんの持ってる武器らしいんでな。」 「じゃ、潰しますか。」 『R.system・・・Motion!!!』 『R.system Ready!』 白銀の戦士と紅蓮の戦士は1人の少年に向けただならぬ殺気を放つ。 「なんだよなんだよ!!・・もういいもん!!全部ぶっ壊す!!!」 『R.system Wake up!!』 「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 駄々っ子のような声をあげ黄色の稲妻を纏った少年が突っ込んでくる。 緋月は全く動じず銃弾を放ち続け、シロハは横に避け手近に在った「ある物」を手に取る。 「まだ・・壊れてないな。」 その手にあるのはフォルスを手に入れた「Third」が投げ捨てたジャッジ。 フォルスと同じように力を込めるとジャッジは黄金の稲妻を纏った。 「お、案外いけるんだな。」 そのままハンマーを振り回し軽い運動とする。 その間にも緋月はガンガンと派手な音を立てさせ、少年の装甲に罅を作っていく。 が、少年の振り回すフォルスは元々攻撃力の高い武器なので、当たれば一撃必殺になりうる。 その点を気にしながらの戦いは緋月にとってめんどくさい物以外の何物でもなかった。 「・・めんどい!・・くらいやがれ!!」 叫びと共に緋月の「クライシス」からいつだかと同じような火球が吹き出される。 ただ、前回と違った点はソレが一つで無い・・と言う事だ。 紅く燃え上がった火球が「Third」に向け突き進む。 が、彼はフォルスを振るい、全ての火球を切り裂いた。 その煙幕の中ハンマーを振りかぶったシロハが突撃する。 「ゼェェェリャァ!!!」 力を爆発させ一気に振り下ろす。 が、ハンマーは「Third」の左肩に当たった直後その場で砕け散ってしまった。 「やっべっ。」 「Third」も一瞬体制を崩したもののすぐに立て直し、剣をシロハに向けて振るう。 巨大な武器を振るったせいで咄嗟の回避が出来ず、直撃を食らうはずだったシロハは横からの衝撃で軽く倒れ込む。
『ザシュッ!!』
肉を断つ嫌な音と共に液体が地面に当たる音が響く。 見れば手を横に伸ばした状態の緋月の腕にフォルスが装甲を切り裂いて突き刺さっていた。 「おい!何で!!」 シロハは庇われたわけが解らず叫ぶ。 「・・ボケ・・チャンスだろうが・・コレ・・特別に貸してやる。」 緋月はそう言って左手に握っていた『クライシス』を放る。 「・・っ!」 グリップを握った瞬間銃口を「Third」に向ける。 力を込め、一気に解き放つ。 「喰らい・・やがれぇ!!!」 緋月が放った物よりも巨大な火球が4・・5個、隙だらけだった「Third」に直撃する。 そのまま後方へ吹っ飛んだ彼は装甲も解け、気を失っていた。 「・・ってぇ・・・。」 右腕から刀を抜き取り、顔を顰めながら緋月は呟く。 もう装甲は解かれている。・・どこかの民族衣装の様な彼の服装はこの荒れた風景で確実に浮いていた。 「・・ほらよ。」 そう言ってまだ血糊の付いているフォルスを放る。 ソレをキャッチする前にシロハもクライシスを投げ返す。 「・・ってか、俺が斬られてるときにお前がぶっ放せば良かったんじゃないのか?」 フォルスを受け取って血を拭いながらそう訪ねる。 「ま、良いんじゃん?気にすんな。」 カラカラと笑いながら緋月は返す。が、その笑みの中には何故か悔しさの様な物が見え隠れしていた気がしたシロハだった。 「じゃ、あのガキは連れて帰る。縁があったらまた会うんじゃね?」 そう言ってバイクの座席の後ろに「Third」をくくりつけ自分も跨る。
『ブオン・・ブオン・・・』
重々しい音と共にエンジンがかかる。 「さて、あのクソうぜぇ顔を拝みに行くのか。・・あばよ。」 バイクは法廷速度を軽くぶっちぎり、シロハから遠ざかっていった。
「やほぉ。久しぶりぃ。」 大人とは思えないほどだらしない、適当な声が暗い地下室に響く。 「お、久しぶりだな。・・紅林。」 窶れ、見るからに疲れ切った顔をしている風凪はそんな感じを微塵も感じさせない張りのある声で返す。 「・・まだ元気が残ってるんだ。しぶといね。」 顔に馬鹿にした感じを貼り付け紅林が冷酷に言う。 「そう言うな。・・と言うか、俺との会話の時だけ良い声になるの止めないか?」 「良いじゃん。いっつもの馬鹿っぽいのきついんだぜ?」 ころころと変わる表情に慣れているかのように風凪は会話にのみ集中している。 「さて、何の用かな?・・あ、見ての通り俺は鎖で繋がれてるから緋月君の手助けをしろ・・ってのはきついよ?出来るならシロハを助けてるし。」 自分への皮肉と自嘲を込めて質問する。 「・・これ、何だ?」 そう言って彼が取り出したのは銀色の、 「何?鍵?・・・はぁ・・了解だ。で届けるのはどっち?」 「シロハ君かな。彼には完全に目覚めて貰う必要がある。」 今度の笑みは明らかに悪役の物だった。 「解った。つうか知ってたんだな。」 「勿論。お前が実験中に怪我をした時にな。」 「この目敏い野郎め。」 今度は風凪の方がケラケラと笑う番だった。 「さて、愛しのシロハは・・・まぁ、兵器に成り下がらないで居てくれるかねぇ。」
『ガチンッ』
鍵が開いた。
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| B×B 研究所 |
初めまして。 私は風凪・・シロハ達の持つ「R.system」を研究している研究員だ。 フレンドリーになーさんとかで呼んでくれて構わない。 ・・御免被る? 仕方ない。秋羽が私の名前だからそれで呼んでくれ。 話が逸れたな。 この部屋は私が「R.system」等を研究する為に使っている場所だ。 故に資料も豊富にある。 そこで、作者の都合と自分勝手によって際限なく増え始めている設定を纏めるという意味合いも込めて解説していこうと言うのがこの「B×B 研究室」だ。 正直な話「本編中に挿入が難しそうだからこういう場を作っちゃえ〜」ってのが作者の考えだろうが・・・たしか別の作品でもData Baseとか作ってたな・・・。 まぁ、ソレはソレとして、これから「B×B」について解説を行いたいと思う。 因みに、このコーナーはカテゴリの『小説 +α』に分類されているのでコレだけを読みたいときはそこから探してくれ。 では、第一回、シロハについてと「R.system」について解説していこうか。
No.1 風凪 白羽 カゼナギ シロハ 私の息子で「R.system」適合者第一号。 実験のせいで白・・と言うか銀髪になってしまったがなかなかどうして似合ってる。 因みに私は黒。妻は栗色だ・・・懐かしいなぁ・・。 研究は割と惨かったりしたので心を閉ざしかけていたのだが脱走に踏み切ってくれたお陰でギリギリ平気だったよ。 服装は黒染めのYシャツとジーパン。後は研究室にあった白衣を持っている。 身長はそれほど高くないが・・170前半位かな。 基本的武術を文字通り叩き込まれてきたので剣技は勿論力が無くても素手で大人を軽く倒せるほどだ。 「R.system」は風属性を持っていて、装甲は白と銀。 出力的には全体で2.3番目になる。 専用の武器も在るんだが・・今のところはフォルスで頑張ってくれ。
さて、シロハについてはこれくらいで・・追々設定は追加すると思うが、その時はまた此処で解説しようか。 じゃぁ、次は「R.system」だな。
『R.stystem』 本編でも言っていた通り、「Zero」を討滅するために人類が創った人体強化システム。 適合者に通常の数倍・・時には数十倍の力を与えるシステムだが、適合にはかなりのリスクがあり、特に精神面に変化が出やすい。 その点、「シロハ」「緋月」は精神的安定をかなり良い状態で保っていると言って良い。 このシステムは力だけでなく「属性」も適合者に与える。 例としては「火」「雷」が現在本編で出ているだろう。 今のところシステムを発動している時しか使っていないが、コレは発動していない・・つまり生身の時にも使うことは可能だ。・・・ただ、使用に制限がかかるが・・。 システムを持つ者には専用の武器が与えられるが、専用というのは「彼等の持つ属性と一致させた属性を持つ武器」であって、100%の力は出せなくとも他のシステム所持者も他人の武器を使うことが可能だ。 またこのシステムには二種類が在る。 一つは「調整型」、もう一つは「非調整型」だ。 前者は適合者の精神を調整した物で、感情に乏しくなり起伏が殆ど起きない代わりに安定して力を使うことが可能になる。・・が、人間の感情とは面白い物で・・失礼、面白いなどとは失言だったな。・・まぁ、人間の感情は「調整」を受けてもなお激しく上下する物で、予測できない暴走が起きたりするタイプだ。 後者は調整をしないタイプで、感情の起伏に比例して出力が上下する。 コレの利点は調整タイプより爆発的な力を出すことが出来る点だ。 ただし、人間誰しも気持ちが高ぶらない時がある。この時は力が殆どでない状態になってしまう。 どちらにもメリット、デメリットがある・・と言うことだな。
さて、「R.system」についてはこのくらいで良いかな。 機能等が増えていったら追々説明を入れていこう。
では、また会えたら。
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| B×B Third |
"Third" 一転
「ねぇ、「Third」ぉ。君の武器を奪った奴・・見つかったってぇ。」 甘ったるく気持ちの悪い声が狭い・・いや、実際は広いのだが、機材などに場所を取られているせいで狭くなっている・・研究室に響く。 「・・ほんとう?」 妙に子供っぽい声がその声に反応する。 「ほんとぉ。「Second」がぁ、見つけたんだってぇ。・・でもま、逃がしちゃったらしいけど。」 最後の台詞は普通の・・と言っても、やけに冷ややかな口調だったが・・しゃべり方へと戻っていた。 「・・そっか。・・僕の『フォルス』が見つかったんだ。やったね。コレでこんな脆い『ジャッジ』ともお別れだね。」 「そうねぇ、お別れね。やっと・・あの風凪の研究が手に入るわぁ。」 二人の目的は同じようで完全に違う物らしかった。
向かってくる化け物・・・「Zero」を刀を横に薙いで真っ二つにする。 足と胴を強制的に切り離されたソイツはそのまま後ろへ流れていき、数メートル先で爆発を起こす。 その爆風を背に高くジャンプし、目の前に居る別の「Zero」に蹴りによる一閃を見舞う。 彼がヒーローなら名前でも付けてやりたいほどの見事な攻撃だったが、一匹や二匹倒してもまだまだ数は減らない。 蹴りを放った後もすぐ動き出し斬りつけ、殴り倒す。 「クソッ、いったいどんだけいるんだ・・・。」 流石に倒しても倒しても減らないこの状況に嫌気が差してきたのか、そう吐き捨てる。 「・・・奥の手だ。」 そう言うと彼は刀・・「フォルス」を地面に突き立て力を込める。 地面に突き刺さった刀は次第に紫電を帯びていき、その雷は思考を持ったかのように周りを取り囲む「Zero」へ向かって走り出す。 雷を食らった「Zero」は次々と爆発していき数は目に見えて少なくなった。 「後は・・斬れば良いか。」 そう呟くやいなや刀を抜き取り一番近くの化け物に斬り掛かる。 切り捨て、切り捨て・・・・もう何回刀を振るったか分からなくなったころやっと周りからZeroが消え失せた。 ・・・Zeroは基本的に細胞分裂の様な形で増殖する。 増殖した個体は人を殺し、その遺伝子を入手・・・その人間になりすます。 その後も人を殺すことで更に人間に近くなっていく・・と言う質の悪い生物だ。 噂に寄れば人間に近くなっていき、ほぼ人間になった頃には自我が目覚め、人との生殖活動が可能・・・と・・・。 「正直気持ち悪いだろ・・それ・・。」 シロハは疲れからその場に座り込み独りごちる。 「多分なんかの理由で発生したZeroが町に入って全滅したのかねぇ・・・。」 一応状況を整理し、口に出して確認する。 町は相変わらず静かなままで、まだ何とか残ってる家々を吹き抜ける風の音がやけに大きく響いていた。 『ザッザッザッザ・・・・・・』 その風の音の中に砂を踏む音が混じりだした。 その音に加え、嫌に耳障りなブツブツ声が聞こえだした。 「・・返せよ・・返してよ・・・ねぇ・・・僕の・・・僕の・・・」 声がはっきりと聞こえたと思うと、家が一軒稲妻と共に吹き飛んだ。 「は!?」 座っていたシロハは「フォルス」を掴んで立ち上がる。 「・・僕の・・『フォルス』だぁ〜。」 多分家を破壊した本人はやけに幼い顔立ちでシロハの握る剣を見つめる。 「僕の?・・違う、コレは俺のだ。」 「・・違うよ〜、だってそれ「雷」でしょ?だったら僕のだよ。」 少年はそう言うと右手に持っていた大きなハンマーを振りかぶるとシロハに向かって突進しだした。 そのハンマー・・『ジャッジ』は黄金の雷を纏っている。 シロハはその攻撃を後ろに下がってかわし、そのまま剣を構え戦闘態勢を取る。 少年は地面にぶち当たったジャッジを持ち上げ二撃目は・・行えなかった。 一度地面にぶつかったハンマーは頭の部分に大きく亀裂が走り、今にも壊れそうな状態だった。 「え〜、速すぎるよ〜。・・仕方ない・・次。」 壊れかけの武器を投げ捨てそう言う。 すると彼の手に新しい『ジャッジ』が握られていた。 「・・なに?マジックですか・・?」 シロハの驚きなど全くの無視で彼は同じように武器を振るう。 壊れては新しい物を・・また壊れたら新しく・・・。 無限に出現する武器にシロハは困惑していた。 と、不意に目線が彼の着ている服に行く。 「・・Third・・?」 三番目の奴? 急いで記憶を巻き戻し、三番目に関する知識を引っ張り出す。 そんな間にも「Third」は攻撃の手を休めることはなく、ただ力任せにハンマーを叩き付ける。 「あ、思い出した!!」 そうシロハが叫び、振り下ろされていたジャッジを紫電を纏わせたフォルスで粉砕する。 「三番目の研究はR.systemとは別に物質の転送だったな。」 R.systemは元々一つの研究室で行われていたが、やはり一度に別の属性をそれぞれに定着させるのには無理があった。 そこで、R.systemのサポートを開発していた研究室に1人・・この時は一個だったのかな?を造らせ、更に元々研究していた物で強化するようにしたのだ。 「で、その産物が無限の武器ですか・・・。」 流石に上限は在るだろうが、壊れるたびに新品を届けられるのは正直きつい。 『R.system・・・Motion!!!』 白と銀の装甲を身に纏い、漆黒の剣を構える。 「・・速攻で仕留めるしか・・なさそうだな・・。」 そう言い放ち、神速で間合いを詰める。 「え〜、ソレは面白くないなぁ・・・。」 駄々っ子の様にそう言う彼の目はもう冷めていた。 『R.system・・Wake up』 そう言うと同時に光が起こり、シロハは咄嗟に速度を緩める。
『ゴォォォォ!!』
その瞬間後ろから激しい衝撃を受け進行方向に凄まじいスピードで吹っ飛ぶ。 家を一軒破壊したところで何とか止まったが、立てそうには無い。 「あのね〜、物質の転送も研究してたんだけど、一応ワープが基本なんだよね〜。で、やっと一回だけなら人体のワープが出来るようになったんだよ〜。」 彼は無邪気にそう言うと、シロハに向かって歩き出し、落ちていた「フォルス」を拾い上げる。 「わ〜、やっぱり剣は格好いいね!!・・じゃぁ、こんなの要らないや。」 フォルスを眺めていた彼は逆の手に持っていたジャッジを興味なさげに投げ捨てた。 「・・じゃ、君はもう要らない〜から、死んでよ〜。」 そう言ってフォルスを振り上げる。 前回の火の玉と違って今は手元に武器は無い、装甲だってさっきの衝撃で解除されてしまった。 「The End・・か。」 そう言うと同時に剣が振り下ろされた。
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