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| 話屋、100のお題ver. |
話屋、100のお題ver. 第5話。
5、道路 【どうろ】
そこには何も無くて、 目の前はただ、白く染め上げられている。 迷子の子供のように、 自分が何処へ向かうのか解らない。 ───尤も、向かうべき場所がないしなぁ・・・。 目の前は白、 後ろには一軒の店・・・。 俺が居るのはそんな『在り得ない』所。 故に俺は探す、 自分の行くべき場所を、 そこへ導いてくれる、路を。
「・・・そんな肩に力入れてたら・・疲れちゃいますよ?」 店の前で気合いを入れていた俺に帳さんはそう言う。 ───・・まぁ、決意表明って事で。 申し訳程度にそう言い訳し、店の中に戻る。 今俺はこの世界で、『話屋』の手伝いをしている。 勿論、話す為ではなく、あくまで掃除とかの雑用・・。 ただただ、目の前の現実を受け止め、過ごす。 「理穏君は・・受動的すぎるって言われたことあります?」 突然帳さんが聞いてきた。 少々面食らったモノの、俺は正直にある・・とだけ答えた。 「・・理穏君は他人の創った道路を走る車みたいな方ですね。」 ───機械的・・とかそんな感じですか? 少々難しい例えに俺は幼稚な思いつきの質問を返す。 「・・いえ、ちょっと違います。・・そうですね・・他人が成した事を、理穏君は簡単にやってのけてしまうわけです。ある意味すごいことですが、やはりは二番煎じ・・と言った感じでしょうか・・・。」 さりげに酷いこと言われてる。 「道路は便利です。人も、自転車も、車も、牛車も全て支え、通してくれます。」 いつの時代ですか? 「その道路を造るのは・・・厳密に言えば道路交通省とかそんな方々でしょうけど、必要としているのは全ての人です。・・ただ、たった1人のために敷かれた道路は・・必要ないのでしょうかね?」 答えは解らない。帳さんはそのままニコニコと微笑んだままストップしてしまった。 つくづく無責任な人だ・・・。
つまりは・・道路は・・まず最初に足を乗せた人が偉いってわけじゃ無いらしい。
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